産業保健コラム

近藤 亨子 相談員

    • 保健指導
    • 元 愛媛産業看護研究会 会長
      ■専門内容:産業保健指導・産業看護・事業場における治療と職業生活の両立支援
  • ←記事一覧へ

歯と口の健康づくり

2017年05月

 来月6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」です。
 身体については、定期健康診断でチェックしていますが、“歯”のチェックも年1~2回は必要と言われていますので、今回は、歯と口の健康について考えてみましょう。

 歯は、私たちが生きていくうえで深いかかわりをもっています。
 言うまでもなく食べることによって生命は支えられています。“歯”で食べ物をよく噛んで消化しやすいように噛み砕き、胃や腸に負担をかけずに全身に栄養がはこばれています。

 また、歯がそろってないと、正確な発音ができずコミュニケケーションがとりにくくなったりします。食事のとき、味覚や歯ごたえ、歯ざわりを感じられるのも、歯があってのことです。歯は健康で豊かな生活を楽しむためにも大切なものです。

<歯周病のチェック>
次の質問にあてはまる項目にチェックしてみましょう。

□ 歯ぐきに赤くはれた部分がある

□ 口臭がなんとなく気になる

□ 歯ぐきがやせてきたみたい

□ 歯と歯の間にものがつまりやすい

□ 歯を磨いたあと、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある

□ 歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている部分がある

□ ときどき、歯が浮いたような感じがする

□ 指で触ってみて、少しグラグラする歯がある

□ 歯ぐきから膿が出たことがある

いくつ項目にチェックがつきましたか?
 1~2項目:歯周病の可能性がある
 3~5項目:初期あるいは中期歯周炎以上に歯周病が進行している可能性がある
チェックがついた方は、早めに歯科医院に受診し、適切な処置を受けましょう。

<歯周病と病気の関係>
 歯周病は単なる口の病気ではありません。様々な研究により、歯周病と全身の健康との関係性がわかってきました。
 例えば、歯周病菌が動脈硬化を引き起こし「脳梗塞・血管性認知症」になったり、「狭心症・心筋梗塞」を悪化させたり、心臓の弁膜に付着して「細菌性心内膜炎」を発症させますし、歯周病菌の付着した食べ物や唾液が気管から肺に入り「誤嚥性肺炎」を起こします。また、糖尿病が悪化すると歯周病にかかりやすくなるといわれています。

<セルフケア>
 自分で気をつけて毎日行うことと、歯科医院で指導・処置を定期的に受けること、どちらも重要です。

1)歯みがきは、毎食後と寝る前に磨きましょう。
「食べたら歯みがき」を習慣にしましょう。また、睡眠中は唾液の分泌が減り、自浄・殺菌作用が低下するため細菌が繁殖しやすい状態です。
寝る前は特に丁寧に磨きましょう。

2)よく噛んで食べましょう。
唾液は、噛み始めてから30秒後(ひと口30回が目安)に分泌が始まります。
(唾液のちから)
① 食べかすを洗い流し、潤いを保つことでむし歯や歯周病、口臭を抑える。
② 口の中に入ってきた菌を殺菌し、体を病気から守る。
③ 歯の表面のエナメル質を修復し、歯を守る。
④ 唾液に含まれる酵素が食べ物のでんぷんを分解し、消化を助ける。
⑤ がんや動脈硬化の原因とされる活性化酵素を減少する。
⑥ 唾液に含まれるムチンによって食べ物が軟らかなり、飲み込みやすくなる。

3)食事時間を決め、間食や寝る前の食事は控え、栄養バランスのとれた食事を心かけましょう。

4)疲労やストレスは免疫力だけでなく、唾液の分泌量も低下させてしまいます。
質のよい睡眠や運動で疲労・ストレスを解消し、免疫力を回復させましょう。

5)たばこは、歯ぐきの血流を妨げ、免疫機能を弱め、歯周病の発症・進行にも影響しますので、禁煙につとめましょう。

6)歯と口の健康を維持するために、トラブルを早期に見つけて治療し、全身の健康を守るために、自覚症状が出てからではなく、症状がなくても半年~1年に1回は定期的に歯科健診受けましょう。
また、歯石の除去など歯のクリーニングを受け、正しい歯みがき指導を受けましょう。

☆☆毎日をいきいきと過ごすためには「いつまでも自分の歯で」で噛むことが大切です。
  目指そう~80歳になっても20本!!

産業保健相談員 近藤 亨子(保健指導)

記事一覧ページへ戻る