産業保健コラム

臼井 繁幸 相談員

    • 労働衛生工学
    • 第一種作業環境測定士 労働衛生コンサルタント
      ■専門内容:労働衛生工学
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改正・リスクアセスメント指針-23 拡散防止措置 局所排気装置-(2)

2017年09月

 前回に説明しましたように、局所排気装置は、「ファン」で吸い込み気流を起こし、「フード」で有害物を吸引し、「ダクト」で運び、「空気清浄装置」で空気中の有害物質を除去し、浄化した空気を排気ダクトから大気に放出する構造となっています。
 したがって、「フード」、「ダクト」、「空気清浄装置」、「ファン」の4つが主要な構成要素となります。
 これらの機能や特徴等を、もう少し詳しく見てみましょう。

I. フード
局所排気を効果的に行うには、発散源の形、大きさ、作業の状況に適合したフードを選定することが必要です。

 フードには、気流の力で有害物質をフードに吸引する捕捉フードと、有害物の方からフードに飛び込んでくるレシーバ式フードがあります。
捕捉フードは、発散源を囲む「囲い式」(フードの中に発散源がある)が効果的ですが、作業性等から囲い式にできない時は、できるだけ発散源の近くにフードを設置する「外付け式」とします。
 従って、フード選定に当たっての優先順位は、[1]囲い式 > [2]外付け式となります。

1.囲い式フード
 発生源がフードで包囲されている(発生源がフードの中にある)構造のもので、フード開口部に吸込み気流をつくって、囲いの中で発生した有害物を開口面の外に漏れ出さないように吸込む方式のフードです。

 次のような特徴を持つ最も効果的なフードです。

(1)発生源が囲われているので、乱れ気流の影響(風によって有害物を含んだ空気が事業場内に飛散する)を受けない。

(2)開口面から漏れ出さない程度の吸込み気流でよいので、小さい排風量でよい効果が得られる。

開口面の小さなものを「カバー型」、大きなものを「ブース型」、手を入れる孔が吸引口となっているものを「グローブボックス型」、作業面を除き周りが覆われているものを「ドラフトチェンバー型」「建築ブース型」と呼んでいます。

フードの内側には、高濃度の有害物質が存在しますので、フードの中に立ち入ったり、顔を入れないようにすることが必要です。

囲い式フード選定に当たっての優先順位は、一般に開口面の小さいものほどよい効果が得られるので、(1)カバー型 > (2)グローブボックス型 >(3)ドラフトチェンバー型 > (4)建築ブース型の順になります。

2.外付け式フード
 発散源をフードで包囲できない場合に、フードを発散源の外(できるだけ近い位置)に設け、この間に吸込み気流をつくって、周りの空気と一緒に有害物を吸引する方式のフードで、囲い式フードと比べて効率が悪くなります。

 特徴としては、

(1)発生源が囲われていないため、乱れ気流の影響を受け、有害物が作業場内に飛散しやすい。

(2)周りの空気と一緒に有害物を吸引するため、ファンの能力(排風量)が大きいものが必要。

(3)発生源にできるだけ近づけて設置することが必要。
(必要排風量は発散源とフードまでの 距離の2乗に比例)

吸込み気流の方向によって「下方吸引型」、「側方吸引型」、「上方吸引型」があるが一般に、外付け式フード選定に当たっての優先順位は、
(1)側方吸引型・下方吸引型 > (2)上方吸引型 となります。

3. レシーバ式フード
 有害物の方からフードに飛び込んでくるのをレシーバ式フードと呼んでいます。
 発散源に一定方向の気流(飛散や熱気流)がある場合に、これを利用して捕捉する方式のものです。

 レシーバ式フードの内、熱による上昇気流を利用して捕捉する上方吸引型フードを「キャノピー型」、グラインダーの回転方向に飛散する粉じんを捕捉するフードを「カバー型」等と呼んでいます。

 キャノピー型は、側面が空いていて作業性がよいが、熱による上昇気流のある時に効果が期待できるものであり、空気より重たい有害物等には不向きです。

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臼井繁幸 産業保健相談員(労働衛生コンサルタント)

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