産業保健コラム

スタッフ

☆がん健康診断を受診しましょう☆

2018年02月


 地域産業保健センター運営協議会の委員から、「がん健康診断も愛媛産業保健センターで周知してほしい。」とご意見を頂きました。
 治療と仕事の両立支援を推進する上でも「がん健康診断」は、重要です。
 当センターホームページには、現在、厚生労働省で議論している「第4回職域におけるがん検診に関するワーキンググループ作成「職域におけるがん検診に関するマニュアル(案)」のご案内を掲載しているところです。

職域におけるがん検診に関するマニュアル(案)の
I. はじめに
 国は、第3期のがん対策推進基本計画(平成 29 年 10 月閣議決定。以下、「基本計画」という。)においては、「がん予防」を一つの柱とした上で、がんの早期発見・早期治療につなげるため、そしてがんの死亡率を更に減少させていくためには、がん検診の受診率向上及び精度管理の更なる充実が必要不可欠としており、がん検診受診率を 50%以上にすること及び精密検査受診率を 90%以上にすることを目標に掲げています。
 国民生活基礎調査(平成 28 年)によると、がん検診を受けた者の 30~60%程度が職域におけるがん検診を受けており、職域におけるがん検診は、我が国のがん対策において、国民に受診機会を提供する上で重要な役割を担っています。
 しかしながら、職域におけるがん検診は、法的根拠がなく、保険者や事業者が、福利厚生の一環として任意で実施しているものであり、検査項目や対象年齢等、実施方法は様々であります。
 また、平成 28 年 11 月に「がん検診のあり方に関する検討会」における議論をとりまとめた「がん検診のあり方に関する検討会における議論の整理」においては、「職域におけるがん検診を効果的に行うためには、「職域におけるがん検診に対するガイドライン」を、職域におけるがん検診関係者の意見を踏まえつつ策定し、保険者や事業主はがん検診を任意で実施する際に、これを参考とすることが望ましい。」とされています。
 さらに、基本計画においても、「「職域におけるがん検診に関するガイドライン(仮称)」を策定し、保険者によるデータヘルス等の実施の際の参考とする。」とされています。

 当職域におけるがん検診に関するマニュアル(案)を参考にして、衛生委員会等で調査審議をしていただくとともに、働く人も当マニュアル(案)を参考にして、事業場で人間ドックの補助があるところは、積極的に人間ドックを受診されるようお願いいたします。
 また、地域のがん検診を活用することが望まれています。
 さらに、当マニュアル(案)に記載されているように生活習慣を見直す機会にして頂きたいと思います。

II. 目的
本マニュアル(仮称)は、がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状に鑑み、職域におけるがん検診の実施に関し参考となる事項を示し、がんの早期発見の推進を図ることにより、がんの死亡率を減少させること等を目的とする。

III. がん検診の種類

がん検診の種類は、次に掲げる検診とする。

1. 胃がん検診
2. 子宮頸がん検診
3. 肺がん検診
4. 乳がん検診
5. 大腸がん検診

1. 胃がん検診

(1) 検査項目
 問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかとする。胃部エックス線検査及び胃内視鏡検査を併せて提供しても差し支えないが、この場合、受診者は、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかを選択するものとする。
(2) 対象年齢
 50 歳以上の者。ただし、胃部エックス線検査については、当分の間、40 歳以上の者を対象としても差し支えない。
(3) 受診間隔
 原則として2年に1回。胃部エックス線検査を年1回実施しても差し支えない。

2. 子宮頸がん検診

(1) 検査項目
 子宮頸がん検診の検診項目は、問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診とし、必要に応じてコルポスコープ検査を行う。
(2) 対象年齢
 20 歳以上の女性。
(3) 受診間隔
 原則として2年に1回。

3. 肺がん検診

(1) 検査項目
 質問(医師が立ち会っており、かつ医師が自ら対面により行う場合において、「質問」とあるのは「問診」と読み替える。)、胸部エックス線検査及び喀痰細胞診とする。喀痰細胞診は、質問の結果、原則として 50 歳以上で喫煙指数(1日本数×年数)が 600 以上であることが判明した者(過去における喫煙者を含む。)に対し行う。
(2) 対象年齢
 40 歳以上の者。
(3) 受診間隔
 原則として1年に1回。

4. 乳がん検診

(1) 検査項目
 乳がん検診の検診項目は、問診及び乳房エックス線検査(マンモグラフィをいう。以下同じ。)とする。 なお、視診及び触診(以下「視触診」という。)は推奨しないが、仮に実施する場合は、乳房エックス線検査と併せて実施すること。
(2) 対象年齢
 40 歳以上の女性。
(3) 受診間隔
 原則として2年に1回。

5. 大腸がん検診

(1) 検査項目
 問診及び便潜血検査とする。
(2) 対象年齢
 40 歳以上の者。
(3) 受診間隔
 原則として1年に1回。

VI. その他
1. 適切ながん予防の促進
 が国のがん検診の受診率は、胃がん(男性)46.4%、胃がん(女性)35.6%、肺がん(男性)51%、肺がん(女性)41.7%、大腸がん(男性)44.5%、大腸がん(女性)38.5%、子宮頸がん(過去2年)42.4%、乳がん(過去2年)44.9%であり、第2期の基本計画における目標値である50%に到達しておらず、第3期の基本計画においても、引き続き目標値が 50%と設定された。また、生涯のうちに、日本人の約2人に1人ががんに罹患し、年間約 86 万人が新たにがんと診断されており、このうち約 30%が就労世代(20-64 歳)であると推計されている。
 がんの罹患者や死亡者の減少を実現するためには、避けられるがんを防ぐことが重要であり、喫煙、過剰飲酒等の生活習慣、ウイルスや細菌の感染等のがんのリスクの減少(1次予防)及び、がん検診(2次予防)の促進を図ることが必要である。
 また、事業者が産業医を選任している場合においては、労働者の健康の保持や健康意識を向上するために、事業者は産業医と連携することが考えられ、産業医が選任されていない場合においては、健康情報の取扱いに留意した上で、精密検査が必要と判定された受診者が、実際に精密検査を受けるよう促す等、事業者と検診実施機関が連携することが考えられます。
 市町村においては、指針 9 に示されている通り、がん検診を受診することの重要性について普及啓発を図るよう努めることとされているが、検診実施機関、保険者及び事業者においても、がん検診の受診率を高める取組を行うことが望ましいとともに、国及び地方公共団体が講ずるがん検診に関する正しい知識の普及啓発等の施策に協力するよう努めるものとする。また、がん検診により、がんが存在しないのに陽性と判断されて不必要な検査を受ける(偽陽性に対する精密検査)場合や、寿命を全うするまでには症状を呈しないがんを診断し不必要な治療を受ける(過剰診断・治療)場合等があることから、受診者ががん検診の不利益についても理解することが望まれる。

2. 市町村が実施するがん検診と職域におけるがん検診との連携保険者や事業者は、国及び地方公共団体が講じるがん対策に協力するよう努めるものとするとされており、保険者や事業者は、一部の被扶養者等、職域でがん検診を受ける機会のない者に対し、市町村と保険者、事業者が連携することで、市町村のがん検診受診につながることが期待されます。
 連携の具体例としては、以下が挙げられます。
 保険者が、市町村と連携・包括協定を締結している場合は、特定健康診査と市町村が実施するがん検診(集団検診)との同時実施を行う。
 市町村が、職域でがん検診を受ける機会のない者に対して、市町村が実施するがん検診の受診機会をより効果的に提供できるよう、保険者や事業者は、受診者の同意がある場合、市町村と職域におけるがん検診の受診状況を共有する。
 保険者や事業者が、一部の被扶養者等、職域でがん検診を受ける機会のない者に対し、市町村におけるがん検診を受診するよう情報を提供するとされています。【職域におけるがん検診に関するマニュアル(案)抜粋】

 

第4回職域におけるがん検診に関するワーキンググループ作成「職域におけるがん検診に関するマニュアル(案)」のご案内は、こちらをご覧ください。【愛媛産保】

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