産業保健コラム

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平成 30 年度の建設業における安全衛生対策の推進【労働衛生対策・抜粋】

2018年04月


 平成30年3月13日に、厚生労働省労働基準局安全衛生部 安全課長・労働衛生課長・化学物質対策課長連名で「平成 30 年度の建設業における安全衛生対策の推進に係る協力要請について」が発出されており、労働衛生関係を抜粋しましたので、建設事業関係者の皆様の取組の推進をよろしくお願いいたします。【以下、抜粋】

14 熱中症対策

 平成 30 年度においても「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」(5月から9月まで、準備期間:4月)を実施するので、建設事業者等に対して、WBGT値の把握及び低減対策の実施、休憩場所の確保や熱への順化を考慮した作業計画の策定、定期的な水分・塩分の摂取徹底、健康診断結果を用いた就業上の措置、作業開始前の健康状態の確認、作業を管理する者や労働者に対する労働衛生教育の実施等について周知、指導する。
 また、熱中症予防対策に関する講習会を第一四半期から第二四半期を目処に実施する。

15 じん肺予防対策

(1) 平成 30 年度から 34 年度を期間とする「第9次粉じん障害防止総合対策」の重点事項として、①屋外における岩石・鉱物の研磨作業若しくはばり取り作業及び屋外における鉱物等の破砕作業に係る粉じん障害防止対策、②ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策、③呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進、④じん肺健康診断の着実な実施、⑤離職後の健康管理等を掲げており、引き続きこれらの対策を推進する。
 また、解体作業等において、法令上必要にもかかわらず現場監督など事業者側の判断により防じんマスクを外させることのないよう、防じんマスクの確実な使用を周知、指導する。

(2) ずい道等建設工事に従事する労働者の健康管理の充実を図るため、当該労働者のじん肺関係の健康情報、有害業務従事歴等を一元管理するためのシステム(ずい道等建設労働者健康管理システム)の構築及び運用を行う建設業労働災害防止協会に対して支援を行う。
 平成 31 年1月のシステム稼働に向けて、事業者がずい道等建設工事に従事する労働者の同意を得て、建設業労働災害防止協会に健康情報等を提供することが円滑に行われるよう周知する。

16 石綿健康障害予防対策

(1) 建築物解体等作業を行う事業者への対応について、特に、石綿に関し一定の知見を有し、的確な判断ができる者が事前調査を行うよう指導するほか、事前調査の結果に関する掲示、石綿含有成形板の手ばらし及び隔離空間からの石綿漏えい防止措置、除去後の包装の徹底を図る。

(2) 建築物解体等作業の発注者への対応について、発出予定の改訂石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルの内容等について建設工事関係者連絡会議等の場も活用し、発注者に対して積極的に周知、要請を行う。

(3) 石綿に係る新たな届出の義務付けを検討することとしており、関係規則の改正を行うこととなった場合には、地方公共団体とも連携して、必要な周知啓発を行う。

(4) 今後、石綿使用建築物の解体等作業の増加が見込まれることを踏まえ、労働者の石綿健康障害防止対策の必要性等について、作成予定のリーフレットも活用し、国民・民間事業者等に対して幅広い周知を行い、個人を含む幅広い発注者の理解の醸成を図る。

19 化学物質による健康障害防止対策

(1) 塗料等の掻き落とし作業について、鉛等有害物の有無等により工事に要する安全衛生経費は大きく変わることから、発注者に対し、有害物の有無等に応じた必要な安全衛生経費の積算等、必要な対応を行うよう求める。

(2) 通風の不十分な場所における内燃機関の使用による一酸化炭素中毒が、公共工事も含め一定数見られることから、必要に応じて建設工事関係者連絡会議等の場を活用し、周知する。

(3) 建設業においても、塗装など多くの化学物質を用いていることから、化学物質に係るリスクアセスメント等を実施するよう周知・指導する。その際、平成30年7月1日から「アスファルト」、「ポルトランドセメント」等がラベル表示、安全データシート交付及び化学物質リスクアセスメント実施の義務対象物質になることも併せて周知する。

23 建設業におけるメンタルヘルス対策の推進

 建設業においても精神障害が多く発生しており、建設業の事業場におけるメンタルヘルス対策の取組割合が 51.0%と低調であることから、引き続き、ストレスチェック制度の実施の徹底を図るとともに、建設業労働災害防止協会とも連携して、建設工事の現場等におけるメンタルヘルス対策の取組の普及を図る。

※「平成 30 年度の建設業における安全衛生対策の推進に係る協力要請について」の詳細については、こちらをご覧ください。【厚生労働省】

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