産業保健コラム

石戸谷 武 相談員

    • 産業医学
    • 前 聖カタリナ大学教授
      ■専門内容:心臓外科・循環器科・産業医学
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ペットや家畜がもたらす病気

2009年11月


私たちの周りにはイヌやネコやトリ、ブタをはじめ色々な種類のペットが見られます。

人間(ヒト)はペットとしている動物を飼うことで日々の生活に潤いを見出し、また癒しを覚えます。特に高齢者・障害者にとって、このような動物は「アニマル・セラピー」とか「コンパニオン・アニマル」と言う言葉がある位、不自由なストレスの多い日常生活ではなくてはならない存在でもあります。

一方、わが国では野生のイヌ・ネコ、渡り鳥(ガンカモなど)も多く見られ、これに加えて感染して帰国する海外旅行者の増加、また寄生虫が土着している外国からの食物輸入、ペットブームや外国産ペット・動物の輸入が多くなっております。

つまり何が問題かというと、ヒトとイヌ・ネコ・トリなどとの「人畜共通感染症」が問題になるのでありまして、以前から分かっているものも、またタイ・ベトナムでの新興の鳥インフルエンザや以前大問題になった中国の新型肺炎「サーズ(SARS)」も、今度メキシコ発のブタから出た新型インフルエンザもこれに含まれます。

ここでは主なものを紹介しますが、身体の不調を覚えるときには、ペット病や寄生虫病や新興の鳥インフルエンザなどにも思いを巡らして検査しましょう。

Ⅰ.イヌからうつるペット病としては:①「イヌ回虫病」は、イヌの糞便で汚染された公園の砂場で遊ぶ子供が感染する機会が増えました。②「イヌ糸状虫症」はイヌの心臓に寄生します。蚊(カ)がイヌを吸血して、ヒトに移します。高齢者の肺に多く見られます。

Ⅱ.ネコからうつるペット病には:①「Q熱」はネコの排泄物や分泌物の粉末が吸入されておこります。発熱が主症状です。②「バスツレラ症」は噛まれて30分~数時間で痛みが出て、そこが赤く腫れます。③「ネコひっかき病」は数日~2週間で赤紫色に腫れ、熱・食欲不振や肝機能障害も出ます。

Ⅲ.トリからうつるペット病として:①「オーム病」は鳥類のクラミジア感染がヒトへ吸入感染します。肺のほか多くの臓器の障害が見られます。②「高病原性鳥インフルエンザ」については、今地球上の季節性インフルエンザはヒト型のもので、これまでトリ型はヒトに感染しにくいとされてきましたが2003年タイ・ベトナムに発生しました。日本ではまだこの新型ウイルスがヒトの呼吸器への付着性を獲得していないので流行しておりません。しかし要注意です。

Ⅳ.メキシコ発の今流行の新型インフルエンザもこの範疇に入るものですが、まだ病態が確定しておりませんので今回は詳しく述べることを控えます。

ペットや家畜はヒトにとって大切な共生動物です。これ等の健康状態をよく観察・検査し、ヒトが感染を受けないように注意しましょう。特に海外旅行先では気をつけましょう。

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