産業保健コラム

スタッフ

がん患者の仕事と治療の両立支援モデル事業

2018年06月


1.がん患者の就労を含めた治療の現状と課題

○ 平成27年度の厚生労働省研究班による調査では、がんと診断され、退職した患者のうち、診断がなされてから最初の治療が開始されるまでに退職した者が4割を超えている。また、その退職理由としては、「職場に迷惑をかけると思った」、「がんになったら気力・体力的に働けないだろうと予測したから」等といった、がん治療への漠然とした不安が上位に挙がっているため、がん患者が診断時から正しい情報提供や相談支援を受けることが重要となっている。

(参考)就労可能年齢でがんに罹患している者と我が国の全がんの5年相対生存率の推移

・就労可能年齢(20歳から64歳まで)でがんに罹患している者は増加している。
【平成14年:約19万人 ⇒ 平成24年:約26万人 (地域がん登録全国推計による年齢別がん罹患者数データ)】

・我が国の全がんの5年相対生存率は、年々上昇しており、がん患者・経験者が長期生存し、働きながらがん治療を受けられる可能性が高まっている。 【5年相対生存率】 56.9%(平成12年~平成14年)、58.9%(平成15年~平成17年)、62.1%(平成18年~平成20年)

2.「働き方改革実行計画(平成29年3月働き方改革実現会議決定)」における方針

病気の治療と仕事の両立を社会的にサポートする仕組みを整えることや病を患った方々が生きがいを感じながら働ける社会を目指すことが打ち出された。

○ 具体的には、「治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築し、コーディネーターが患者に寄り添いながら継続的に相談支援を行いつつ、個々の患者ごとの治療・仕事の両立に向けたプランの作成支援などを担う。」とされている。

3.事業内容

○ がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」に、「両立支援コーディネーター」の研修を受講した相談支援員を専任で配置し、がん患者のおかれた事情を総合的に把握するためのツールとして、患者の治療、生活、勤務状況をまとめた「治療と仕事両立プラン」の策定などの就労支援を行うモデル事業を実施する。

※厚生労働省健康局「がん・疾病対策課第3期がん対策推進基本計画の進捗について」より抜粋

平成30年6月27日(水)16:00~18:00
全国都市会館 3階 第2会議室で開催された第69回がん対策推進協議会(資料)の目次です。

議事次第
座席表
資料1 がん対策推進協議会委員名簿
資料2 我が国のこれまでのがん対策について
資料3 第3期がん対策推進基本計画の進捗について
資料4 第3期がん対策推進基本計画の今後の進め方について
資料5 平成30 年度がん対策予算の概要
参考資料1 がん対策基本法
参考資料2 がん対策推進協議会令
参考資料3 がん対策推進基本計画(平成30 年3月)
参考資料4 がん診療連携拠点病院等の指定要件の見直しに関する報告書(平成30 年4月11 日がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ)
参考資料5 小児がん拠点病院の指定要件の見直しに関する報告書(案)(小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会)
参考資料6 がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針(平成29 年12 月25 日付け健発1225号第3号厚生労働省健康局長通知の別添)
参考資料7 職域におけるがん検診に関するマニュアル(平成30 年3 月厚生労働省)
参考資料8 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針(平成29 年12 月1日付け健発1201第2号厚生労働省健康局長通知の別添)

第69回がん対策推進協議会(資料)は、こちらをご覧ください。【厚生労働省】

 

 

 

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