産業保健コラム

河東 極 相談員

    • 産業医学
    • 産業医
      ■専門内容:消化器外科・産業医学
  • ←記事一覧へ

健康長寿

2012年03月


我が国の高齢化社会はますます進展し、日本人の平均寿命は、男79.6才、女86.4才であり世界と比べてみると、女性では第1位を維持しており、男性は第1位をゆずって第4位となっている。しかし平均寿命の延びる傾向は続いていて今後もトップクラスの寿命を維持してゆくものと考えられる。平均寿命の延びと共に注目されるものに、ケガや病気による支障を受けずに毎日を元気に過ごす人生の期間を健康寿命といいます。日本は男73才、女78才で世界第1位とWHOの2010年に報告されています。平均寿命と比べて豊かな人生を送るべき健康寿命が男女とも7年から9年も短くなっているのは世界一の長寿国となってはいるが残念なことです。

 

腹囲の計測でおなじみのメタボリックシンドロームは、へそ回りのサイズに脂質異常、高血圧、高血糖の生活習慣病リスクを2つ以上併せもつことをいいます。40才以上の男性2人に1人女性で5人に1人がイエローカードとなりました。過剰にたまった内臓脂肪は糖尿病や高血圧を発症させる可能性が高く、更に脳卒中や心臓病など生命にかかわるリスクを高めることがわかっています。動脈硬化は中高年に起こるものと思われがちですが、実際には30才頃から現れるようになり、人間が一生付きあってゆかねばならない血管の変化です。メタボがターゲットにしているのは、この動脈硬化なのです。

 

死因別死亡者数は、ガン死、虚血性心疾患、脳血管疾患と続き夫々が約30%を占めている。2位3位で約60%になるのだが、その主な原因となるのが動脈硬化である。動脈硬化にならない様に血管の若さを保つことが健康で長生きするために大切なことです。

人間の身体はある年齢を過ぎるとその機能はおとろえて老化が起こります。老化度は、「筋年齢」「血管年齢」「骨年齢」「ホルモン年齢」「神経年齢」の5つの指標で判断します。健康的で元気な老人は、老化のスピードがおそいというのではなく、体全体がバランスよく進んで5つの要素が均等で弱点が少ないのです。このバランスが崩れるとなんらかの病気が起こって長生きが出来なくなるのです。

 

例えば、老化度の血管年齢が高くなると動脈硬化のリスクが高くなり、脳梗塞、脳出血、心臓疾患などが発生するのです。老化の要因の一つに酸化という現象が考えられています。活性酸素の酸化作用で細胞膜を傷つけて機能を奪って破壊するという事です。我々の周囲にはさまざまな老化の原因が潜んでいます。放射線、紫外線、排気ガス、タバコ、アルコール、化学物質など活性酸素を発生させる要因が沢山あります。老化をおくらせる為には抗酸化力を高め活性酸素を消す抗酸化物質を積極的に摂ることです。ビタミンA、C、E、ミネラル、ポリフェノール類があげられます。タバコの害は肺がんと思われているが、大きな影響を受けるのは血管であり、収縮させて血液の粘度を高めて血流を低下させて全身の細胞への酸素・栄養を十分に届けられなくなるのです。

 

長寿であるけれど持病を多く抱える「長寿大国」が「病気大国」でなくて

「長寿大国」は「健康大国」になります様に。

記事一覧ページへ戻る