産業保健コラム

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アルコール、ギャンブル等依存症対策のご案内

2019年02月


 平成30年7月6日にギャンブル等依存症対策基本法が成立しています。

 アルコールや薬物、ギャンブルなどを“一度始めると自分の意思ではやめられない”、“毎回、やめようと思っているのに、気が付けばやり続けてしまう”それは「依存症」という「病気」かもしれません。

 依存症は、一般的なイメージでは、“本人の心が弱いから”依存症になったんだ、と思われがちですが、依存症の発症は、ドーパミンという脳内にある快楽物質が重要な役割を担っています。アルコールや薬物、ギャンブルなどの物質や行動によって快楽が、得られます。そして、物質や行動が、繰り返されるうちに脳がその刺激に慣れてしまい、より強い刺激を求めるようになります。その結果、物質や行動が、コントロールできなくなってしまう病気なのです。

 また、依存症は、「孤独の病気」とも言われています。例えば、「学校や職場、家庭などとうまくなじめない」といった孤独感や「常にプレッシャーを感じて生きている」、「自分に自信が持てない」などの不安や焦りからアルコールや薬物、ギャンブルなどに頼るようになってしまい、そこから依存症が始まる場合もあります。

 さらに、依存症は「否認の病気」とも言われており、「自ら問題を認めない」ため、本人が病気と認識することは困難です。一方、家族はアルコールによる暴力やギャンブルによる借金の尻ぬぐいになどに翻弄され、本人以上に疲弊するケースが多くみられます。

 「(家族や知人、職場の産業保健スタッフが)依存症かもしれない」そう思ったら、1人で抱えこまず、また1人で解決しようとせずに、まずは、お近くの「保健所」「精神保健福祉センター」に御相談ください。

 家族や友人、職場の産業保健スタッフなど周りの人が、依存症について正しい知識と理解を持ち、当事者の方を早めに治療や支援につなげていくこと。それが依存症を予防し、また回復につなげる大事な一歩です。

厚生労働省の依存症対策、相談窓口等については、こちらをご覧ください。【厚生労働省】

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