産業保健コラム

河東 極 相談員

    • 産業医学
    • 産業医
      ■専門内容:消化器外科・産業医学
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高年齢化対策

2013年11月


 厚生労働省による【高年齢者の雇用状況】の集計からは、97パーセントの企業が高年齢者雇用確保措置を実施済みとしている。

 人は年齢と共に老化が進み生理学的な変化が生じる。運動機能(筋力、敏捷性)、感覚機能(視力、聴力)、平衡機能などが年令と共に低下する傾向にあるといわれる。
 しかしこの変化は年齢だけで一律に規定されるものではない事は当然であって、そこには【個人差】が存在する。個々の生活習慣や遺伝的要因によって多様性が生じて、年齢と共にそのばらつきが大きくなる。そこには【個人差】が出てくる。
 この様に高年齢者対策においては、年齢のみで区分せず個人差を考慮して対策を講じる事が重要なポイントである。

 一方高年齢者がすぐれているといわれる特長もある。それらは身体機能よりも労働特性に関するもので、仕事の正確性、豊富な経験や知識・技能とそれらの活用、責任の強さなどである。これらも同様の個人差があることを理解して職務検討を行うことが望ましい。

 高年齢者はさまざまな機能が低下するという前提で対策を進めがちであるが、個人差により衰えの少ない高年齢者も存在するため、先入観を持たず客観的に評価し当該労働者の意見を聴き対応すべきである。

 年齢と共に疾病の罹患は増え、健康診断でもいわゆる有所見者が増加する傾向にあるが、そのようなときこそ健康の保持増進の取組みが重要になってくる。特に下肢の筋力維持、平衡性・敏捷性の改善は職務適応力を増進させ、不慮のケガを防止することが期待できるため積極的な取組みが望まれる。

 更に高年齢者の「働きがい」への配慮も必要である。経験や知識を生かして指導的な立場や結果が形になる業務に就くことで働きがいを得る可能性がある。
 働きがいのある職務に配置するためには労働者の希望も聴いて親身に対応する姿勢が大切である。

河東 極 産業保健特別相談員(産業医学)

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