産業保健コラム

近藤 亨子 相談員

    • 保健指導
    • 元 愛媛産業看護研究会 会長
      ■専門内容:産業保健指導・産業看護・事業場における治療と職業生活の両立支援
  • ←記事一覧へ

歯の健康を保って、体も健康!

2021年06月


令和3年6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」です。
令和3年度のスローガンは「一生を 共に歩む 自分の歯」となっています。
この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的としています。

日本歯科医師会は、「病気のリスクを下げるためにお口の中を清潔にしましょう。」と次のように啓発活動をされています。
この機会にご自身の口のケアを見直してみませんか。

【口のケアが全身の健康を守る】

1.口腔内をきれいに保ち、ウイルス感染の水際対策をしましょう。
ウイルスの感染は鼻・口・目から起こります。 お口の中の細菌が出すタンパク質分解酵素が、粘膜細胞へのウイルス感染を促進してしまいます。

2.口内環境が不潔だと全身の免疫力が下がります。
口腔内の細菌が食道や胃を通って腸にたどり着き、腸内細菌のバランスを乱して全身疾患の発症原因になることが分かってきました。腸は全身の免疫と密接に関わっており、腸内細菌のバランスが崩れると感染症にかかりやすくなります。

3.お口の中の状態次第で肺炎につながることもあります。
食べ物や唾液が気道に入る「誤嚥」が起きた時、お口の中が不潔だとたくさんの細菌が肺に至り、誤嚥性肺炎を起こすこともあります。また、歯周病菌や歯ぐきの炎症によって生み出された炎症性物質が血流に乗って全身をめぐれば、体のあちこちで炎症が起きたり、ウイルス感染による炎症症状が進みやすくなったりする場合もあります。

【みんなで取り組もう!セルフケア】
(1)食後や寝る前の歯みがきを習慣付けましょう。
(2)デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。
(3)栄養バランスのとれた食事をしましょう。
(4)ひとくち30回を目標に、よく噛んで食べましょう。
(5)むし歯予防に効果のあるフッ化物(フッ素)を活用しましょう。
(6)かかりつけ歯科医で定期的に歯科検診を受けましょう。
(7)災害発生時に備えて、非常時持出袋に歯ブラシなどを入れておきましょう。

☆毎日をいきいきと過ごすためには「いつまでも自分の歯で」で噛むことが大切です☆
“目指そう~80歳になっても20本!!”

産業保健相談員 近藤 亨子(保健指導)

記事一覧ページへ戻る