産業保健コラム

宮岡 弘明 相談員

肥満症治療薬について

2026年04月


肥満症に対して確実に減量できる薬が登場しました。セマグルチドとチルゼパチドという注射薬です。

肥満の程度はBody Mass Index(BMI)で表現され、
BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算されます。
肥満はBMI 25以上の単なる「太っている状態」そのものです。
肥満症は肥満に肥満が原因の様々な健康障害が加わった状態です。

健康障害には①2型糖尿病、②脂質異常症、③高血圧、④高尿酸血症・痛風、⑤脂肪肝、⑥蛋白尿(肥満関連腎臓病)、⑦冠動脈疾患・心筋梗塞・狭心症、⑧脳梗塞、⑨睡眠時無呼吸症候群、⑩運動器疾患・変形性関節症・腰椎症、⑪月経異常が該当します。

肥満症治療薬が使える対象者は
(1)BMIが35以上で健康障害の①、②、③のうち少なくとも一つ以上を合併する場合、
(2)BMIが27以上で①、②、③のうちの少なくとも一つに加え①から⑪までの他の健康障害を一つ以上合併する場合です。

またいきなり注射薬をつかうのでなく管理栄養士さんから食事に関する話を二カ月ごとに聞いて、計六カ月間食事・運動療法を行っても減量が不十分な場合に肥満症治療薬が使えます。

肥満症治療薬の減量効果は胃や腸の動きを抑えることで食欲が低下することによって現れます。
その際の食欲低下は「心地よい食欲低下」と言われています。

治療を始めると患者さんは、それまで食物に思わず手が出てバクバク食べていたのが「食欲が減った」、「食欲はあるが控えている」、「もう少し食べたいという気持ちはあるが抑えている」、「食欲もあると言えばある」等の表現をされ食欲が抑えられているのが分かります。

肥満症治療はどこの医療施設でも受けられるのではなく、日本糖尿病学会、日本循環器病学会、日本内分泌学会が認めている施設のみで治療を受けることができます。

肥満症治療を受けることにより、体重が減るのみでなく①から⑪までの疾病も状態が改善しますので肥満症でお困りの方は肥満症治療を一度ご検討ください。

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