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3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)による健康障害の防止対策の徹底について

2018年10月24日


 厚生労働省基準局安全衛部労働衛生課長・化学物質対策課長連名で、平成30年10月19日付け基安労発1019第2号・基安化発1019第2号をもって、「3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)による健康障害の防止対策の徹底について」要請がありましたので、対応方よろしくお願い申し上げます。

 MOCAは、主に、防水材、床材や全天候型舗装材などに利用されるウレタン樹脂の硬化剤として使用されておりますので、よろしくお願い申し上げます。

基安労発 1019 第2 号
基安化発 1019 第2 号
平成 30 年 10 月 19 日

 団体の長 宛

                       厚生労働省基準局安全衛部
労働衛生課長
化学物質対策課長

3,3 ‘-ジクロ -4,4 ‘-ジアミノフェニルメタン (MOCA )による
健康障害の防止対策 の徹底 について

 平成 28 年に、化成品等の製造事業場で、複数の労働者等に膀胱がんの病歴又は所見があることが明らかになり、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の協力も得て作業実態や発生原因について調査を行ったところ、これらの労働者等のうち多くは3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)を取り扱う作業に従事していたことが判明したことから、平成 28 年9月 21 日付け基安発 0921 第1号「3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)による健康障害の防止対策について」又は平成 28 年 10月7日付け基安発 1007 第2号「3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)による健康障害の防止対策について」により、貴団体に対し、MOCA による健康障害を防止するため、法令等の改めての徹底及び緊急の措置の実施を要請したところです。
 今般、要請から約2年が経過していること、別添参考資料のとおり、上記事業場以外の事業場においても、MOCA を取り扱ったことのある労働者等に膀胱がん有病歴者がいることが把握されていること、MOCA は特定化学物質障害予防規則(昭和 47 年労働省令第 39 号。以下「特化則」という。)の対象物質ですが、これらの事業場の中には、特化則の規定に基づき義務付けられている作業環境測定や特殊健康診断を実施していない等の法令違反が認められた事業場もあったこと、MOCA に係る作業環境測定について、より正確な濃度の見積もりが可能となる方法が確認されたことから、改めて下記のとおり健康障害の防止対策の徹底を要請したいと思いますので、貴会関係事業場に対して改めて周知いただきますようお願いいたします。
 なお、現在も MOCA の製造・取扱いを行っている事業場(現在取扱事業場)は下記1から4まで、現在の製造・取扱いはなく過去に MOCA の製造・取扱いを行っていた事業場(過去取扱事業場)は下記2及び3について、実施をお願いするものです。

              

1 特化則に基づくばく露防止措置等の徹底(現在取扱事業場)

 MOCA の製造・取扱いを現在行っている事業場においては、特化則に基づくばく露防止措置を徹底すること。
その際、設備的な対策のみならず、関係労働者の作業方法や保護具の着用・管理等についても必要な対策を講じること。また、経気道ばく露に限らず、保護手袋の着用や休憩室への入室の際の付着物の除去状況など、経皮ばく露や経口ばく露の防止措置も講じること。

2 特化則に基づく健康管理の徹底等(現在取扱事業場、過去取扱事業場)

 現にMOCAを取り扱っている労働者及び過去に取り扱ったことのある労働者であって現在も雇用しているものに対して、平成 29 年4月から施行された改正後の特化則に基づく特殊健康診断(膀胱がん等の尿路系の障害(腫瘍等)を予防・早期発見するための項目が追加されたもの)の実施を徹底すること。
 なお、MOCAを取り扱ったことのある労働者であって既に退職しているものについては、今後、専門家の意見を聴取し、必要な措置を講じる予定としているが、それまでの間、特化則に基づく特殊健康診断と同様の内容の検査の受検を勧奨すること。

3 特化則に基づく記録の保存期間の延長(現在取扱事業場、過去取扱事業場)

 膀胱がん有病歴者の中には、MOCA へのばく露から膀胱がんの発症まで 30 年以上経過していると考えられる者も確認されたことから、MOCA を現在又は過去に製造し、若しくは取り扱ったことのある事業場においては、特化則に基づくMOCA に関する作業の記録、作業環境測定の評価の記録、特殊健康診断の結果の記録について、法令上の保存期間(30年間)を経過後も、引き続き、保存すること。

4 当面の作業環境測定方法(現在取扱事業場)

 MOCA の製造・取扱事業場に実施が義務付けられている作業環境測定について、より正確に濃度を見積もることが可能となる方法が確認されたことから、厚生労働省においては、MOCA の測定法の見直しのための検討を進めている。ついては、当分の間、作業環境測定基準(昭和 51 年労働省告示第 46 号)に基づく従来のろ過捕集方法に加え、別途示す米国労働安全衛生庁(OSHA)が示す方法を参考とした測定も併用することが望ましいこと。

◆文中の別添参考資料、通達等は、こちらをご覧ください。【愛媛産保】