2018年11月19日
愛媛労働局は、平成30年11月16日、建設業における愛媛県下の労働災害発生状況が看過できない状態であるため、県下の建設現場での労働災害の大幅増加に係る《警報》を発令しました。
平成30年10月末現在の速報値による平成30年の県下の建設業における労働災害による死傷者数(休業4日以上)は170人で、前年同期に比べ38人増(+28.8%)と大幅に増加しています。
特に死亡者数は11月9日現在9人で、前年同期比4人増加(+80%)し、全産業の死亡者(13人)の約7割を占め、既に平成19年以降で最多(平成18年11人)となっています。
また、年明けより、平成30年7月豪雨の復旧工事の本格化するに当たり、更なる増加が懸念されることから、早期に労働災害防止に万全を期す必要があります。
この《警報》は、別添のリーフレットを建設現場に掲示をしていだだく等により、県下の建設現場の管理者、作業者に対し、労働災害の発生状況を認識していただくとともに、各建設現場での死 亡災害等の労働災害の撲滅のため、リーフレットの重点事項に示した対策に留意し、法令の遵守をはじめとした基本的な対策の徹底を図っていただくことを要請するものです。
愛媛労働局では、建設業労働災害防止協会愛媛支部及び労働災害防止団体(11団体)、建設関係団体(29団体)に対し要請を行うとともに、建設工事発注機関(31機関)に対し協力要請を実施しました。
◆3 月 道路建設工事
・振動ローラーで転圧作業中、路肩から機械ごと 8m 転落した。
◆4 月 道路建設工事
・道路路肩から 10m下の斜面に転落した。
◆6 月 機械等設置工事
・構内を自転車で移動中水路に転落し溺れた。
◆6 月 上下水道工事
・掘削箇所内で整地作業中、掘削法面が崩壊し土砂に埋もれた。
◆7 月 その他の建築工事
・屋根葺き替え作業の休憩中、気分が悪くなった。(熱中症)
◆8 月 木造建屋建築工事
・解体用つかみ機で荷のつり上げ作業中、建物の床が沈下し被災者にツメが激突した。
◆10 月 その他の建築工事
・足場組立作業中、工場引き込み高圧電線に接触し感電した。
◆10 月 道路建設工事
・小型ドラグショベルで掘削作業中、傾斜路面を機械ごと後方に転倒、胸を挟まれた。
◆11 月 道路建設工事
・せん孔機のロッドの引き上げ作業中、ロッドの振れ止めが抜け落ち被災者に当たった。
・法定教育を受けた職長が、作業者の配置や作業指示を行うこと。
・定期(おおむね5年ごと)に能力向上教育に準じた教育を行うこと。
・建設機械等の運転は機械の種類等に応じた法定の資格者等(免許、技能講習、特別教育修了)に行わせること。各工事現場では作業者が保有する資格等を確認し把握すること。
・建設機械等の転落、転倒、逸走を防止するため、作業範囲の路面、路肩の整備等の措置を徹底すること。
・建設機械等の転落、転倒及び作業者との接触を防止するため立入禁止箇所の設定、誘導者の配置等の措置を行うこと。
・建設機械による荷のつり上げ等の用途外使用を行わないこと。
・高所作業を行う場合は、法定の構造による足場を設置すること。
・設置が困難な場合は、墜落制止用器具(安全帯)の取付け設備を設置し使用を徹底すること。
・梯子は上部を結束等により固定すること。脚立は安全な使用方法を遵守させること。
・作業現場内に安全な通路を確保するとともに、つまづき等の原因となる障害物を排除し、整地整頓を徹底すること。
・高年齢労働者に対し、転倒等の災害リスクについて教育し、安全意識の高揚を図ること。
・立入禁止箇所や安全通路等の表示を行うこと。
・墜落の危険のある路肩や開口部への接近、墜落制止用器具(安全帯)の未使用、つり荷の下方等立入禁止箇所への立入、感電・酸欠危険場所への立入、昇降路以外の場所での昇降等安全作業のための基本的なルール遵守を徹底させること。
・作業前ミーティングや KY 活動、現場パトロール等の安全管理活動の活性化を図ること。
◆「県下の建設現場での労働災害の大幅増加に係る《警報》を発令します」は、こちらをご覧ください。【愛媛労働局】
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