2018年12月27日
厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会(会長 樋口 美雄 慶応義塾大学商学部教授)は、平成30年12月14日に根本 匠 厚生労働大臣が同審議会に諮問した「労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」等について、労働政策審議会の各分科会(※)で審議を行った結果、別添のとおり答申がなされました。
厚生労働省では、この答申を踏まえ、速やかに省令・指針の制定に向けた作業を進めていくとしています。
(※)労働政策審議会各分科会
・労働条件分科会(分科会長 荒木 尚志 東京大学大学院法学政治学研究科教授)
・安全衛生分科会(分科会長 土橋 律 東京大学大学院工学系研究科教授)
【別添1】「労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」の答申
【別添2】「労働基準法第41条の2第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針案」の答申
(1)労働基準法施行規則の一部改正
ⅰ 労使委員会の決議を所定様式により所轄労働基準監督署長に届け出るものとするもの。
ⅱ 同意の取得の方法及び職務の合意の方法について、書面に労働者の署名を受け、当該書面の交付を受ける方法とするもの。
ⅲ 対象業務について、次に掲げる業務(当該業務に従事する時間に関し使用者から具体的な指示を受けて行うもの は除く。)とするもの。
イ 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
ロ 資産運用(指図を含む。以下同じ。)の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務
ハ 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務
ニ 顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務
ホ 新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務
ⅳ 年収要件について、1,075万円とするもの。
ⅴ 健康管理時間について、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法で把握するとともに、事業場外において労働した場合であって、やむを得ない理由があるときは、自己申告によることができるものとするもの。
ⅵ 選択的措置について、各措置の具体的な内容を定めるもの。
ⅶ 健康・福祉確保措置について、具体的な内容を定めるもの。
ⅷ その他の決議事項として、決議の有効期間の定め及び当該決議は再度同項の決議をしない限り更新されない旨等を定めるもの。
ⅸ 健康管理時間の状況等を所定様式により決議が行われた日から起算して6箇月以内ごとに、所轄労働基準監督署長に報告するものとするもの。
(2)労働安全衛生規則の一部改正
ⅰ 高度プロフェッショナル制度の対象業務に従事する労働者(以下「対象労働者」という。)に対する医師による面接指導等に係る事項について、産業医の職務及び産業医に対し情報提供する事項に追加するもの。
ⅱ ⅰの面接指導の要件について、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間と定めるもの。
ⅲ ⅰの面接指導の実施方法等について、労働基準法第36条第11項に規定する業務に従事する者(研究開発業務従事者)に対する医師による面接指導の実施方法等に準じて定めるもの。
ⅳ ⅰの面接指導の対象となる労働者以外の対象労働者から申出があった場合に、医師による面接指導を行うよう努めなければならないものとするもの。
2.「労働基準法第41条の2第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針案」
対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため、使用者及び労働者並びに労使委員会の委員が留意すべき事項等を定め るもの。
(1)本人同意の方法等を定めるもの。
(2)労使委員会が決議する労働基準法第41条の2第1項に掲げる事項について、具体的に明らかにする事項及び留意すべき事項を定めるもの。
ⅰ 対象業務の要件
ⅱ 対象労働者の要件
ⅲ 健康管理時間の把握方法
ⅳ 休日の確保
ⅴ 選択的措置
ⅵ 健康・福祉確保措置
ⅶ 同意の撤回に関する手続
ⅷ 苦情処理措置
ⅸ 不利益取扱いの禁止
ⅹ 決議の有効期間の定め等
(3)労使委員会の要件等労使委員会に関する事項を定めるもの。
ⅰ 労使委員会の設置に先立つ話合い
ⅱ 労使委員会の運営規程
ⅲ 労使委員会に対する使用者による情報の開示
ⅳ 労使委員会と労働組合等との関係
メンタルヘルスに関する様々なサポートについてのサイトです