2020年2月28日
うつ病等の精神疾患は、抑うつ気分が改善した後も、認知機能(記憶、作業記憶、注意、処理速度、遂行機能等)が十分に回復するまでに時間を要することがあります。そのことが職場復帰した精神疾患の罹患者が、職場で十分なパフォーマンスを発揮できない要因になっているのではないかと言われています。
また、精神疾患の診断をなされていない労働者の中にも、ストレスや加齢による認知機能障害を抱えている方がいます。
平成30年7月から開始した本研究は、精神疾患の有無に関わらず、労働者の認知機能を検査し、認知機能が労働生産性に影響を与えているのか検討を行います。そして双方に関連があると分かった場合は、希望者に認知機能回復のためのトレーニングを行い、認知機能の改善及び労働生産性の向上に繋がるのかを検証します。
さらに、労働者一人ひとりの特性に合わせたサポートを行うことで、職場のメンタルヘルス対策はもとより、よりよい社会生活への適応やQOL(生活の質)に繋げていくことを目的としています。
精神科医が臨床で得た知見について、産業医と共同することにより、産業保健の予防領域へ応用の可能性を検討していくという点は、本研究の特色であると言えます。
本研究の詳細については、「労災疾病等医学研究普及サイト」をご覧ください。
→https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
メンタルヘルスに関する様々なサポートについてのサイトです