2020年7月29日
アスベスト(石綿)関連疾患として労災認定される数は、近年、毎年1,000件前後となっていますが、その中には他の疾患との鑑別が困難なものや診断方法が特殊であるものがあり、申請から労災認定までに時間がかかるものも少なくありません。
こうした診断方法が難しいアスベスト関連疾患について明確かつ簡易な診断方法・指標を確立し、より適切な治療・予防法に役立てることを目的として、長年アスベスト関連疾患の診断等について研究を行っています。
例えば第2期(平成21年~平成25年)の研究では、診断時にはすでに進行してしまっていることが多く、他のアスベスト関連疾患との鑑別も困難な胸膜中皮腫について、新たな診断基準の確立を目指しました。胸膜中皮腫症例を全国から集め、そこから胸水に関するデータを抽出した結果、胸水中のヒアルロン酸の値などが、胸膜中皮腫の診断材料として実用性が高いことを明らかにしました。
第2期のアスベスト研究については、こちらからご覧いただけます。
→https://www.research.johas.go.jp/22_asbesto/
アスベストについては、現在も新しい研究を行っております。平成30年度からは、明確な労災認定基準がない良性石綿胸水について、症例を集め、新たな認定基準の確立を目指しているほか、石綿肺がん患者の肺内にみられ、測定が困難な石綿繊維について、より迅速で適正な測定をするにはどうしたらよいかを研究しています。
現在のアスベスト研究については、こちらからご覧いただけます。
→https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/index.html
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