2023年12月
事業者が安全配慮義務を果たすうえで、労働者の健康状態を正しく評価して把握することは非常に重要です。職務適性の評価と、その結果に基づく就業措置や支援は、各事業場の作業環境や作業方法などの理解に基づいて行われます。ここでは、産業医の先生方に役立つWebサイトを紹介します。当然、医師以外の方も役立つ情報が掲載されていますので、ご参照ください。
①医師のための就業判定支援NAVI
(運営:産業医科大学産業医実務研修センター)
労働者の健康診断の結果に基づき、医師がより適切な就業判定を行うために参考にしていただくサイトです。就業判定に関して現在基準となるようなガイドラインはありません。従って、このサイトの事例はあくまで参考にしてください。過度な就業制限は労働者に不利益をもたらす可能性もあります。労働者本人と話し合った上で、医師の意見を述べることが原則です。就業制限の期間は通常2,3か月以内です。継続または変更する場合は新たに面談を行う必要があります。
②過重労働対策ナビNAVi
(運営:産業医科大学産業生態科学研究所産業保健管理学研究室)
全国の産業医等により実施された調査研究を通じて得られた過重労働対策についての有用な情報を、無料で提供するサイトです。過重労働による健康被害に関する文献検索を行うことができます。
③こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
(運営:一般社団法人日本カウンセラー協会)
厚生労働省の委託事業です。メンタル不調を抱える労働者、支えるご家族、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者や産業保健スタッフに対して、メンタルヘルスに関して役立つ情報が得られるポータルサイトです。信頼性の高い情報源や幅広い情報を調べることができます。
④事業場におけるメンタルヘルスサポートページ
(運営:東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座)
ストレスチェック制度を含む、メンタルヘルスに関しての専門的な情報が発信されています。ストレスチェックを実施して、学術的背景に基づく職場環境改善の取り組みに資するサイトです。管理職向け教育研修用のシミュレーションゲームの紹介などもあります。
以上、代表的なサイトを取り上げました。ほかにも、「女性にやさしい職場づくりナビ」「治療と仕事の両立支援ナビ」など、代表的なサイトもあります。労働者支援の参考になればと願います。
牧 徳彦 産業保健相談員(メンタルヘルス)
メンタルヘルスに関する様々なサポートについてのサイトです