産業保健コラム

岸田 建夫 相談員

    • 労働衛生工学
    • 岸田労働安全衛生コンサルタント事務所 代表
      労働衛生コンサルタント
      ■専門内容:労働衛生工学
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全国安全週間を迎えて

2026年06月


今年も全国安全週間の季節がやってきました。
全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、一度も中断されることなく続けられ、本年で99回目を迎えます。この週間は、安全意識の高揚と安全活動の定着を目的に、6月1日から30日までを準備期間として7月1日から7日まで実施されます。

令和8年度の安全週間は、「多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場」をスローガンに全国一斉に展開されます。今年のスローガンには、職場では外国人労働者、高年齢労働者、障がい者、パート労働者、派遣労働者など多様な方々が働いていますが、それぞれの立場で協力し安全な職場を築いていきましょうという願いが込められています。
ちなみに、第1回(昭和3年)のスローガンは、「一致協力して 怪我や病気を追拂ひませう」、第17回(戦時中の昭和19年)のスローガンは「決戦一路 安全生産」です。時代を感じますね。

近年、休業4日以上の死傷者数は増加傾向にあり、令和7年の愛媛県内における休業4日以上の死傷者数は1,578人で、前年と比べ0.7%増加しました。特に、高年齢労働者の増加に伴い、第三次産業等において作業行動に起因する労働災害(転倒や腰痛)が多発しています。また、死亡者数12人のうち、7人が墜落・転落によるものでした。

高年齢労働者の労働災害に関しては、労働安全衛生法の改正により、高年齢労働者の労働災害防止対策が令和8年4月から事業者の努力義務とされており、高年齢労働者の特性に合わせた環境改善や、作業者の体力に応じた作業行動面での対応等が求められます。
また、昨年6月の労働安全衛生規則の改正により、熱中症の危険のある作業において、連絡体制の整備や処置基準の作成・周知が罰則付きで事業者の義務とされました。今年の夏も暑くなる予報ですので、暑さ指数(WBGT値)に応じた作業時間の短縮・休憩時間の確保、水分・塩分の定期摂取等に留意するとともに、作業前や作業中の体調確認を行い、熱中症の疑いが認められた場合には、早期に適切な処置をお願いいたします。

職場の安全衛生活動は、年間計画に基づき日常的に推進していくべきものですが、安全週間を契機に、安全衛生スタッフが一丸となって安全活動を見直し、より一層充実させることをお願いいたします。

安全衛生スタッフの方々の中には、安全活動をどこまでやればいいのかお悩みの方も多いと思います。その答えではありませんが、安全業務を進める上での心得として、以下を提案いたします。
① 生産はアクセル、安全はブレーキ、どちらか迷ったときには「安全第一」を選びましょう。
② ご自身の安全と健康を第一に、それと同じように作業者の安全を考えましょう。

ご安全に。

産業保健相談員(衛生工学) 岸田建夫

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