産業保健コラム

スタッフ

★労働者の健康診断を実施しましょう★

2018年02月


 地域産業保健センター運営協議会の委員から、「健康診断を実施していない事業場がある。」との意見を頂きました。

 事業者は、常時使用する労働者に対して、雇入時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断等を実施しなければなりません。

 愛媛産業保健センターでは、当センターホームページに「事業主が労働安全衛生法の一般健康診断を行うべき「常時使用する短時間労働者」」を掲載する等パートタイム労働者の健康診断実施等を周知しているところですが、まだまだ、常時使用する労働者で健康診断を実施する必要がある労働者の健康診断を実施していない事業者が散見されるようです。

 常時使用する労働者に対して、健康診断を実施しましょう。

 パートタイム労働者とは、1週間の所定労働時間が正社員に比べて短い労働者をいいます。

 正社員の週所定労働時間の3/4以上働くパートタイム労働者に対しては、健康診断を実施する義務があります。

 また、平成29年版過労死等防止対策白書の2 過労死等が多く発生しているとの指摘がある重点業種(自動車運転従事者、外食産業)の調査結果の(2)自動車運転従事者において、

ア 労災認定事案の分析結果
 「運輸業,郵便業」における労災認定事案のうち、脳・心臓疾患は 465 件、精神障害は 214件であった。
「運輸業,郵便業」における自動車運転従事者の勤務形態は日勤が多かったが、自動車運転従事者のうち、トラック運転者は深夜・早朝を含む運行が多く、運行時刻が不規則であった。

 また、宿泊を伴う運行や運転以外の荷役など身体的負荷のかかる労働があることも特徴であった。タクシー・バス運転者は拘束時間が長く、対人業務であることから精神的緊張を伴う勤務が特徴的であった。

 また、脳・心臓疾患の発症時期は、1月~3月の厳寒期と7月~9月の猛暑期が多く、雇用年数では2年未満と 15 年以上に被災者が多かった。トラック運転者の事例では走行中での発症が最も多いが、事業場における荷扱い中での発症も多いのが特徴であった。

 さらに、労働安全衛生法に基づき実施しなければならない健康診断について、トラック運転者の健康診断受診率をみると、厚生労働省で実施している平成 25 年「労働安全衛生調査(実態調査)」では、トラック運転者が含まれる「輸送・機械運転従事者」は 95.2%であるところ、脳・心臓疾患の労災認定があったトラック運転者は 69.2%であり、受診率が低い結果となっている(第 2-4 図)。と分析されており、全員が受診する取組も求められています。

自動車運転手の健康診断受診率

※「事業主が労働安全衛生法の一般健康診断を行うべき「常時使用する短時間労働者」は、こちらをご覧ください。【愛媛産保】

※「パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう。!!」は、こちらをご覧ください。【厚生労働省】

パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう

過労死等防止対策【「平成29年版過労死等防止対策白書」が公表されました】は、こちらをご覧ください。【愛媛産保】

※「過労死等防止・健康起因事故防止セミナーが開催されました」は、こちらをご覧ください。【愛媛産保】

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