産業保健コラム

コラム

高山病の予防と対策

2013年07月


 高山病は山酔い(Acute Mountain Sickness)ともいい、高度上昇に伴い、大気圧の低下で起きる低酸素血症といわれる。空気中の酸素量は標高3,000メートルで2/3、標高5,000メートルで1/2に低下、空気中の酸素量が少なくなる。
 症状は動悸、息苦しさ、頭痛、めまい、発熱、食欲不振、吐き気などがする。高山病は個人差があり、高地に行くまでわからない。高地に到着して6時間から12時間後に始まり、4日間の間に発症することが多い。
 身体が高地に順応すれば高山病の心配はないが、順応できないと最悪の場合、肺浮腫によって死亡する場合がある。

1. 高山病の予防と対策(体調を整えることが大切)
① ゆっくり呼吸する、なるべく深呼吸する
② 急激な運動は避ける
③ 水分を多くとる
④ 糖分を取る
⑤ 食べ過ぎは禁物(腹6分から7分)
⑥ 飲酒、喫煙、熱い風呂は避ける
⑦ 興奮したり、怒ったり、騒いだりしない
⑧ 高山病を気にしない
⑨ 酸素ボンベは最後の手段とする
⑩ 循環器に問題がある場合は事前に医師に相談する

2. 高山病になったらどうしたらよいか
① 現在地より高い場所に行かない
② しばらく安静にする
③ 軽い頭痛なら鎮痛剤で治る場合がある
④ 酸素ボンベを利用し、酸欠状態を緩和する
⑤ 現地の医師に相談する
⑥ 高地から低地に移動する

3. 高山病対策が必要な標高の高い観光地
(標高3,000メートルから4,000メートルの観光地で今まで高山病になった観光地: 標高2,000メートルでも飛行機やロープウエーなどで短時間に移動すると高山病になる場合がある)
① 富士山3,776メートル(弾丸登山1999.8.1)
② 光明頂1,840メートル(中国・黄山2006.8.1)
③ エギユ・ド・ミディ展望台3,842メートル(シヤモニモンブラン、フランス1999.8.13)
④ ゴルナーグラート駅3,089メートル(スイス・マッターホルン1999.8.14)
⑤ ユングフラウヨッホ・スフインクス展望台3,571メートル(スイス1999.8.16)
⑥ 九塞溝、長海3,100メートル(中国2007.8.13)
⑦ 雪山梁峠4,000メートル(中国2007.8.14)
⑧ 黄龍ロープウエー上駅3,600メートル、五彩池3,556メートル(中国2007.8.14)

統括コーディネーター
矢 野 正 志

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