産業保健コラム

廣瀬 一郎 相談員

    • カウンセリング
    • カウンセリングルームこころの栞 主宰カウンセラー
      ■専門内容:カウンセリング全般
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こころの事業仕分け

2009年12月


2010年度予算概算要求をチェックする手段として取り入れて今、政府の行政刷新会議が行っている事業仕分けに因んで、こころの「事業仕分け」を試みてみました。

こころにも3つの事業があります。“考える”“感じる”“行動する”です。

まず、“考える事業”で存続するものは、熟考する、肯定的思考、建設的思考、問題解決思考、創造する、柔軟な思考、弾力性のある思考、危険予知思考などがあげられると思います。一方、廃止・減少するものは、思い悩む、否定的に考える、悲観的に考える、べき、ねばならない思考、頑固で凝り固まった思考、破壊的思考、こころのフィルターにかける、過去にとらわれる、重箱の隅をつつくような考え、考えない、思考を停止させるなどです。

“感じる事業”で存続するものは、素直に感じる、感じたありのままを表現する、五官を働かせる、今ここでの感情を感じる、こころをオープンにしている、快・不快を感じるなどです。廃止・減少するものは、気持ちを抑圧する、感じていないようにふるまう、過去の感情に浸る、こころを閉ざしてしまう、まだ起こっていない不安を感じる、他者の感情まで過敏に察知してしまうなどです。

最後に、“行動する事業”での存続するものは、建設的(アサーティブ)な行動、前向きな行動、柔軟な行動、自由な行動などです。廃止・減少するものは、攻撃的(アグレッシブ)な行動、退行した行動、行動しない(ノンアサーティブ)、膠着してしまうなどです。

また、3つ全ての事業にそれぞれ、過去工程、現在工程、未来工程があります。上記と重複しますが、

“考える事業”での過去工程は、思い込み、先入観、固定概念など、現在工程は、現実的思考、客観的思考、創造的思考など、未来工程は、空想、誇大妄想など、があります。

“感じる事業”での過去工程は、悲嘆、悲哀、後悔、執着など、現在工程は、共感、直観、感受性など、未来工程は、心配、取り越し苦労、感情の先取り、予期不安など、があります。

“行動する事業”での過去工程は、失敗したことを思い出す、悪習慣を繰り返す、依存など、現在工程は、達成、継続する、知覚、分析、観察など、未来工程は、根拠のない行動計画、行き当たりばったりなど、があります。

以上、思いつくままに羅列をしましたが、私の独断と偏見によるこころの事業仕分けとして、上記の【『存続させる「思考」「感情」「行動」』と現在に活かせる「過去」、「未来」につながる「現在」、そして“今ここで”を生きること】を結論とし、執行することとします。

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