2018年03月
スモークテスター等を使って、フードへの吸込み気流をチェックした結果、煙がフードの外(作業場)に漏れ出している(吸込み不良)が判明した場合、その原因としてどのようなことが考えられるか、また対策はどうすればよいのか等を説明します。
→ 修理、必要な能力のものに交換
設計(新設)時と比べて、増産等でフードの数が増えていないか。
規定の回転数がでているか
→インバーターで回転数を上げる 老朽化の場合は交換
モーターの電流計の値は正常範囲内か。
異常音・振動が発生していないか。
→ 規定の面積に戻す
排風量=開口面積×風速×係数 →排風量はフードの開口面積に比例
風速=排風量/開口面積×係数 →吸込み風速は開口面積に反比例
同じ排風量のファンであれば、開口面積を小さくすることで、吸込み風速
がアップします。
このため、発散源を出来るだけ囲い、開口面積を小さくする措置がとら
れます。
例えば、開口部にビニールカーテン等を設置し、開口面積を小さくする
対策がとられている場合がありますが、この場合に、作業の邪魔になる
からと開口部に設置したカーテンを巻き上げてしまったり、切り取ってし
まうと能力が落ちてしまいます。
→発散源はフードの中に入れる
囲い式フードは、フードの内側にある発散源から、フードの外へ有害物
が漏れ出さないだけの吸込み気流しか確保していません。
従って、フードの外にある発散源からの有害物を全て吸引する能力は
ありませんので、フードの外で有害物発散作業をしてはいけません。
→離れている場合は出来るだけ近づける
外付け式フードの必要排風量の計算( 円形又は長方形のフード )昨年の12月号を参照
必要排風量 = 60×制御風速×(10×距離×距離+開口面積)
立方メートル/分 メートル/秒 メートル 平方メートル
上式から、フード開口面での吸込み風速は、発散源までの距離の2乗に反比例します。
つまり、距離が2倍離れると、吸い込み風速は、1/4になります。
逆に距離を半分に縮めると、吸い込み風速は、4倍になりますので、フードと発散源を出来るだけ近づける (フード開口面の近くで作業をする)ことが必要です。
→ フードの正面で作業する
正面から外れると、風速は急激に落ちます。
→フード開口面近くには、物を置かない
障害物によって、吸込み気流に乱れが生じて、有害物が作業場内に逸散しますので、フード開口面の近くには物を置かないようにします。
→乱れ気流の原因となる扇風機、エアコン、窓の開放等を禁止する。
また、つい立やカーテン設けて、風が当たるのを防ぐ、風向を変える等の対策を講じます。
発散源からの有害物がフード開口面へ吸い込まれている箇所に、風が当たると、吸込み気流に乱れが生じ、有害物が作業場内に逸散します。
次回に続く
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